歯ぎしりと咬み合わせ

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()み合わせと顎関節】

口が開きづらかったり、顎の関節が痛んだり、カクンと音がしたりしませんか。
噛み合わせと顎関節の調和が乱れると、噛み方がぎこちなくなり、顎の痛みだけでなく、肩こり、頭痛、耳鳴り、手のしびれなどが起こってくる事があります。

人間の体は積み木を高く積み重ねるように絶妙なバランスを取って健康が成り立っています。

始めに私たちの体を支えている骨格を見てみましょう。全身には200個あまりの骨があり、それらが靭帯や軟骨と連結され骨格を形成しています。
骨格は体重を支える支柱となり筋肉の働きにより運動を行います。
また頭蓋、胸郭(きょうかく)、骨盤は脳や内蔵を保護しています。

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脊柱(せきちゅう)は
7個の頚椎(けいつい)、12個の胸椎(きょうつい)、
5個の腰椎(ようつい)、各1個の仙骨(せんこつ)と
尾骨(びこつ)で構成されます。

ひとつひとつの椎(つい)骨(こつ)は椎体(ついたい)という
円柱状の部分で上下に積み重なっています。
上下の椎体(ついたい)の間には椎間(ついかん)円板(えんばん)という軟骨が挟まっておりクッションの役割を果たします。

椎間円板が変形することにより、脊柱は前後左右に曲がることが出来ます。
脊柱は前後左右に曲がるほか、回旋(かいせん)つまり体をひねる動きも出来ます。

頭部は頭蓋骨と下顎骨で構成されていて、関節円板と顎関節部を介して連結されています。

顎関節は、頭蓋骨のくぼみである下顎窩と下顎骨の関節突起部分である下顎頭を連結している 関節であり、頭蓋で唯一の可動結合です。

哺乳類に特有の関節で、顎関節は回転運動の他に前方へ滑走運動を行うことが可能なため、下顎骨は複雑な動きを行うことができます。

関節円板は線(繊)維性の板で、関節運動を円滑にしたり関節への衝撃を緩和する役目をする組織です。

上の歯は頭蓋骨に、下の歯は下顎骨に植わっています。
食事や会話などで下の顎は開閉したり、前後左右と複雑に動き機能しています。
体の中で一番複雑な動きをするのは顎関節と言われており、口を動かす度に、頭部の重心は前後左右に傾きますが、無意識のうちに顎の筋肉や首を支えている筋肉などによって補正し平衡を保っています。
ちょうど、火の上に手をかざして、火傷しないようにと考えてから手を離す訳ではなく無意識のうちに反射的に回避します。

とりわけ頭部は細い頚椎で支えられており、その重さは成人で約5kgといわれています。
5Kgといえば…

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ボーリングのボール11ポンド

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お米5kg

ペットボトル10本分

500ml入りのペットボトル10本

に相当し身体に甚大な影響を及ぼすことは容易に想像できます。
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たとえ1本の歯であっても、高かったり、あるいは、抜けたままにしておくと、前後の歯が傾き、対合する反対側の歯が動いてきて、上下の歯の噛み合わせに狂いが生じます。

その結果、そちら側では噛みにくく、反対側を主に使って噛むようになります。そうすると顎関節に過大な負担がかかり、顎は常に偏位して動く事となり、更に全身へと影響を広げます。
上下の噛み合わせと顎関節の運動に不具合が生じるとバランスが狂い、歯だけでなく顎関節や筋肉などに変調をきたし、歯ぎしり(ブラキシズム)や食い縛り(クレンチング)、咬耗(歯の磨耗)、破折、歯間離開(歯に隙間)、歯と歯ぐきの間の楔状欠損、骨隆起、開口障害や疼痛、顎の偏位、肩の凝りや、筋肉の痛み、手足の痺(しび)れなど、様々な症状を引き起こします。 ⇒ 顎関節症

歯の治療に顎関節との調和を考慮しなければならないのは当然で、見た目の歯並びではなく、上下の歯の合わさり具合や、動かしたときの歯の当たり具合をバランスよくする必要があります。

「木を見て森を見ず」 ⇒ 「歯を見て顎関節を診ず」

歯の噛み合わせと顎関節の調和が乱れるとそのバランスを保つために体のいたる所で過度な負荷がかかってきます。

噛み合わせと顎関節の調和を良くするということは、体のバランスを良くするということでもあります。
少しくらい噛み合わせが悪いからといって、軽度に捉えていると、長い期間を経てゆっくりと体に支障をきたしていきます。
整形外科や整体院等で、頸肩腕症候群、VDT症候群、ストレートネックなどの診断で治療を受けている方も多く見受けられます。
一度、噛み合わせを専門医に見てもらうようにしましょう。

 

【歯ぎしり・食い縛り】

 

家族や知り合いに「歯ぎしり」について指摘されたことはありませんか?

もしくは、歯がすり減って平らになっている、詰め物がよく取れる、歯がしみる、歯の歯ぐきよりの部分に楔状の欠損、口が開きづらい、顎の関節から音がする、朝起きると口の周りがこわばっている。

心当たりがあれば、歯ぎしりをしている可能性があります。

以前は歯ぎしりというと悪い事のように言われていましたが、最近の研究により、むしろストレス発散としての役割で悪い事ではなく、程度の差はあれ多くの人が歯ぎしりしていることが解明されました。

良い歯ぎしりと悪い歯ぎしりとがあり、状況により、歯や顎関節等を守るために、治療が必要になります。

左右の顎関節という蝶番(丁番)が安定している位置で上下左右の28本から32本が上手く噛みあうことは、むしろ稀で、多くの人が多少前後左右に顎をずらして噛んでいます。

疲れた時に背伸びをしてストレス発散する様に、夜寝ている時に歯ぎしりが起きます。

歯ぎしりとは、眠りが浅いときに起こり、ぎりぎりと非常に強い力で噛みしめる行為のことで、音のあまりしない歯ぎしりもあります。

自覚症状がなく気がついたころには歯を失ったり歯周病などを発症したり悪化させることがあります。

噛み合わせに影響が出たり、顎関節症などを伴って体全体に影響を及ぼすことが認められる場合には治療が必要となります。

治療によく使用されるのはマウスピースのような形状の「スプリント」と呼ばれる透明な専用器具です。

歯にかかる圧力を逃がし、顎関節を安定させて負荷を軽減し、歯の摩耗を抑え、これにより症状を緩和することが出来ます。

噛み合わせの調整も併せて行う必要があります。

寝るときの姿勢や枕にも考慮が必要で、うつ伏せ寝や、偏った横向き寝は、顎関節にも負担をきたすので出来るだけ避けて、枕も頚椎をしっかり支える、ある程度の硬さも必要で、左右に寝返りを打っても、顎関節に力のかからない形状を選んで下さい。

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